イントロダクション
Odoo Planningは、プロジェクトやタイムシート、現地訪問、ヘルプデスクの対応など“成果を売る”ビジネスを支えるための核です。これらは別々に管理されると顧客対応履歴や利益率が分断されるため、すべてを一貫した物語として可視化することが重要です。
配信チームとサポートチームが別々のツールで動くと稼働率が下がり、SLA違反が増え、請求が遅れる──結果として現場の努力が収益に反映されにくくなります。
Planningはタスク、時間、部品、顧客へのやり取りを結びつけます。そのため、アカウントマネージャーはステータス確認のためにメールを追いかけ回す必要がなく、納品状況や収益性を一目で把握できます。
広告代理店の経営者やプロフェッショナルサービス企業、サポート部門のリーダーは、ここで挙げるユースケースを自社の業務フローに重ね合わせて適用できます。
Odoo Planningは、プロジェクトやタイムシート、現地訪問、ヘルプデスクの対応など“成果を売る”ビジネスを支えるための核です。これらは別々に管理されると顧客対応履歴や利益率が分断されるため、すべてを一貫した物語として可視化することが重要です。
この記事は、レベル1(導入が簡単)からレベル10(高度な設計)までを順位付けしたTop10です。各レベルには実際にOdoo Planningで操作する順番を番号付きで示しています。
派手に聞こえる最上位から始める必要はありません。まずはチームが無理なく始められるレベルから着手しましょう。
まずは課題の章を読み、現状に近いレベルの節を開いてください。そこから実際の手を動かす順序が見えてきます。
このガイドで分かること:
- 一般的なシステム構成の中でOdoo Planningが担う役割
- 現場で最も摩擦が生まれる箇所(とその理由)
- 初心者向けの運用改善から上級者向けの戦略まで、順位付けした10のユースケース
- 自動化や連携でパートナー導入が妥当になる場面
直面する課題
顧客から遅延のクレームが入り、サポート、納品、アカウント管理それぞれが異なる「事実」を持っている──時間は後からしか計上されず、集計して初めて利益が狂っていたことに気づくといった状況です。
プロジェクトやサポートは“時間”と“成果”を販売しますが、利用率やSLAは後追いで評価されがちです。請求・納品・対応履歴が同一のタイムライン上にないと、利益は目減りします。
思い当たる点はありませんか?チームがぶつかりやすい壁:
- 営業側のコンテキストが引き継がれず、プロジェクト開始が遅れる
- 契約や請求に紐づかないサポートチケットが残る
- 作業時間が事後に記録されるため請求可能時間が損なわれる
良いニュースは、大掛かりな全面刷新をしなくても改善できる点です。下のユースケースから一つ選び、30日間試して効果を測ってみてください。
PlanningのTop10ユースケース
Odoo Planningで実現できる10のユースケースを、レベル1(今日やれる簡単な改善)からレベル10(アーキテクチャ設計を要する高度な運用)まで並べました。各項目は「何を作るか」と「Odooでどの操作をするか」を説明します。
レベル1は日々の小さな勝ち。最上位はあえて極端にしていますが、同じアプリがどこまでスケールするかを示すためです。
自分の現状レベルを選び、テスト環境で示した手順を実行し、慣れてきたら次のレベルへ上がってください。
1. Ganttで従業員1名の最初のシフトを作る Level 1 — Easy
レベル1は最も単純な操作:マネージャーが1名分の時間枠をカレンダーに置くだけ。テンプレートや役割は使わず、誰でも見れば分かるブロックを作るだけです。
Odooでの実践手順(概要):
- Planningアプリをインストールして、Planning → Schedule by Employee の週次Ganttを開きます。
- 該当従業員の明日欄の空セルをクリックし、開始・終了時刻を指定します。
- 従業員への一言メモを入力し、当日の期待事項を共有します。
- シフトを保存するとGanttに色付きブロックが表示され、従業員カレンダーにも反映されます。
- 部門でフィルターして正しいチームに表示されていることを確認します。
得られる効果:シフト情報がスプレッドシートやチャットから切り離され、1つの記録として管理され、オーナーと履歴が明確になります。
2. シフトテンプレートを保存して翌週をワンクリックで反映 Level 2 — Easy
レベル2は同じ作業の繰り返しを自動化します。テンプレートに標準の時間・役割・所要時間を定義すれば、翌週の予定が一瞬で組めます。
Odooでの実践手順(概要):
- Planning → Configuration → Shift Templates → New で『朝の店舗 8–12』などのテンプレートを作成します。
- 開始時刻、所要時間、役割、デフォルトの備考を入力して保存します。
- 『午後の店舗』『土曜フロント』『夜間見回り』など、週の標準パターンをすべてテンプレート化します。
- Schedule by Employee に戻り、空セルの矢印から該当テンプレートを選ぶと瞬時に埋まります。
- Copy Previous Week 機能で全体を複製し、発生した例外だけ修正する運用にします。
得られる効果:週次スケジューリングが数時間の手作業から5分の確認作業に短縮され、テンプレートのばらつきも防げます。
3. 役割ベースで計画し、資格のある人だけが割り当てられるようにする Level 3 — Easy
レベル3では『役割』を導入します。シフトは個人ではなく役割(例:レジ担当、上級技術者)に紐づき、その役割を持つ従業員のみが割り当て候補になります。
Odooでの実践手順(概要):
- Planning → Configuration → Roles で Cashier、Senior Technician、Shift Lead、Backup といった役割を作成します。
- 各従業員のレコードのPlanningタブで、担当可能な役割にチェックを入れます。
- GanttをSchedule by Roleに切り替え、役割行に未割当のスロットを置きます。
- スロットを右クリックしてAssignを選ぶと、その役割を持ち当日空いている従業員だけが表示されます。
- Role Mismatchフィルターで過去に役割違いで割り当てられていたシフトを抽出できます。
得られる効果:カバレッジが思い込みで行われなくなり、必要な資格の有無が事前に分かるようになります。
4. スケジュールを公開して従業員の承認を集める Level 4 — Medium
レベル4はスケジュールをマネージャーの画面から従業員全員に配信します。Send Scheduleで週次を公開し、従業員はポータル上で個別に承認や辞退ができます。
Odooでの実践手順(概要):
- 週次Ganttを開き、Send Scheduleをクリックして公開する期間を選択します。
- 承認締切やスワップ連絡先などの短いメッセージを添えて送信します。
- 従業員はメールを受け取り、ポータル上で各スロットに対してConfirmまたはRefuseできます。
- 辞退されたシフトはOpen Shiftsプールに戻り、辞退理由がチャッターに記録されます。
- GanttをConfirmation Statusでフィルタリングすれば、未承認だけを追いかけられます。
得られる効果:『全員スケジュールを見たか?』という曖昧な問いに名前とタイムスタンプで答えられ、当日欠勤の驚きが減ります。
5. オープンシフトを公開して従業員が自ら引き受ける仕組み Level 5 — Medium
レベル5では未埋めのシフトを公開マーケット化します。条件を満たす従業員はポータルで空きシフトを見て『引き受ける』をクリックし、管理者の電話を介さずに埋まります。
Odooでの実践手順(概要):
- シフトを作る際にEmployeeを空欄にしてOpen Shiftにチェック、必要な役割を指定して保存します。
- Publishするとそのシフトは当該役割を持つ従業員のポータルの『My Open Shifts』に表示されます。
- 従業員がTake this Shiftをクリックするとその員に移動し、プールから消えます。
- マネージャーはDiscussの通知を受け、設定された猶予内で承認または取り消せます。
- Open Shiftsレポートで、金曜夜や日曜に繰り返し穴が空くパターンを見つけ、恒常的な補強を検討できます。
得られる効果:当日までの穴埋めが電話連絡の連鎖でなくセルフサービス化し、マネージャーは例外対応に集中できます。
6. 休暇、出勤記録、契約時間で衝突をブロックする Level 6 — Medium
レベル6ではPlanningを人事データと連携させます。休暇や出勤、契約時間がGantt上に反映され、不可能なシフトは保存できなくなります。
Odooでの実践手順(概要):
- Planning → Configuration → SettingsでCross-app Validationを有効にし、Time Off、Attendances、Contractsを選択します。
- 承認された休暇は自動的に該当日の従業員行をグレーアウトします。
- 休暇日にシフトを入れようとすると保存が拒否され、代替候補の従業員を提案します。
- 従業員ごとの週契約時間を設定すると、Ganttのサイドパネルで計画時間と契約時間が比較表示されます。
- Attendancesから打刻データを取り込んで、毎週月曜に計画と実績を突き合わせて確認できます。
- シフト間に最低11時間の休息ルールを設定して、直近の連続勤務を自動的に拒否します。
得られる効果:法規や契約に反するシフトは計画時点で防がれ、人事と現場の摩擦が月数回の例外対応レベルまで減ります。
7. 売上やプロジェクト期限から翌週を予測する Level 7 — Hard
レベル7は需要駆動型の計画です。サービスの受注行やプロジェクトの締切がGanttに流れ込み、実際に販売したコミットメントに対してキャパシティを割り当てます。
Odooでの実践手順(概要):
- Sales → Configuration → SettingsでPlan Service Linesを有効にし、サービス商品からシフトを生成できるようにします。
- 新規受注のサービス行でPlanningに『計画する』をチェックし、必要役割と総時間を指定します。
- 受注確定で該当する役割にOpen Shiftが自動作成されます。
- Schedule by Projectではプロジェクトタスクの期限がワークロードバーとして表示され、役割ごとに割り当てを可視化できます。
- Forecastフィルターで次の4週間の必要時間と割当時間を比較します。
- Open Shiftsを適切な従業員にドラッグすると、関連するSales OrderやProjectがリアルタイムで紐付いて更新されます。
得られる効果:販売済みの時間とスタッフアサインを合わせることで、締切前に役割の過負荷が明確になります。
8. プロジェクトタスクとフィールドサービスを同一Ganttで計画する Level 8 — Hard
レベル8では社内作業と現地作業を一つの画面で扱います。プロジェクトタスクと現地対応が隣り合って表示され、ディスパッチャーは一つのGanttで人員・顧客・現場を最適化できます。
Odooでの実践手順(概要):
- Planningと合わせてProjectとField Serviceアプリを導入し、従業員・役割・スキルを共通化します。
- Planning → Schedule by Project を開くと、まだ担当が付いていないタスクが左側リストに並びます。
- プロジェクトタスクを従業員行にドラッグすると、Planned Hoursが入り、従業員にシフトが作成され、両レコードはリンクされます。
- Schedule by Sales Order に切り替えると、訪問先でのField Service対応や移動時間を含めた割当が可能になります。
- 必要スキル(例:電気資格)が設定されていれば、該当資格を持つ技術者だけが候補に上がります。
- 顧客でフィルターすれば、一度の訪問で現場の保留タスクをまとめて消化できるか確認できます。
得られる効果:工場内作業、プロジェクトタスク、現地対応が同一Gantt上で見えるため、複数ツールを行き来せずに一人のディスパッチャーが最適化できます。
9. Spreadsheetで“需給対比”のライブダッシュボードを作る Level 9 — Hard
レベル9はPlanningデータをSpreadsheetに取り込み、必要時間・割当時間・未充足シフト・欠勤率などをライブ更新されるダッシュボードにまとめます。経営陣と現場が同じ数字を共有できるようになります。
Odooでの実践手順(概要):
- Planning → Reporting → AnalysisでRole、Department、Weekごとに集計ピボットを作ります。
- Insert → Spreadsheetでそのピボットを新しいドキュメント(例:Capacity Live)に押し出します。
- Time Off(週当たり承認時間)とAttendances(実績時間)から別ピボットを追加します。
- 『計画時間』『必要時間』『カバレッジ率』『欠勤率』『残業時間』の5つのKPIタブを作ります。
- カバレッジ率が90%未満で赤、95%未満でオレンジにする条件付き書式を設定します。
- 週次でダッシュボードのメール配信をオペレーション責任者、人事、財務担当にスケジュールします。
得られる効果:月曜の会議で誰のスプレッドシートが正しいかと揉めるのをやめ、全員が信頼するライブ指標で議論できます。
正しいピボット設計、条件付き書式、配信頻度、クロスアプリのデータモデルを作る作業は、Dasoloがパートナー導入で支援する典型的な範囲です。
10. Planning、Sales、HR、Payroll、外部カレンダーを横断するAIキャパシティオーケストレーターを稼働させる Level 10 — Expert
レベル10は到達点の一つ。AIが受注時間、休暇、契約時間、過去のパターンを読み取り、マネージャーは承認だけで済む週次ドラフトを自動生成します。
Odooでの実践手順(概要):
- 過去12か月分のPlanning、Sales、Time Off、AttendancesデータでOdooのAIアシスタントを学習させます。
- 役割ごとに目標を設定します:目標カバレッジ率、残業上限、最小休息時間、公平性指標など。
- 毎週日曜の夜にAIが下書きを生成し、割当済みシフト、オープンシフト、トレードオフの要約を添えて提示します。
- 外部カレンダー(Google、Microsoft)をAPIで連携し、個人の予定をGanttに反映した上でAIが設計します。
- 給与計算と接続して、確定シフトは次の給与プレビューに予定時間・残業・深夜手当として自動反映されます。
- AIが翌月に穴や契約違反、不公平指標を検知したらSlackやTeamsでアラートを飛ばします。
- マネージャーは月曜朝に15分でドラフトを確認してPublishをクリックするだけ。AIは手動修正から継続学習します。
得られる効果:24時間稼働するAIオーケストレーターがスケジューリングチームの仕事を代替し、公平性と監査トレイルを確保しつつ、マネージャーはコーチングや例外対応に集中できます。
AIエージェントをPlanning、Sales、HR、Payroll、外部カレンダーと安全に結びつけ、残業や法令遵守、公平性のガードレールを設ける設計は、Dasoloがパートナーとして構築する領域です。
専門家の支援が得策なとき
レベル1〜6の範囲なら、標準機能と社内の責任者、実験を許すサンドボックスがあれば自走で成果が出ることが多いです。
ただしレベル7以降はリスクが高まります。誤送信する自動ワークフロー、アップグレードを阻むStudioのカスタム項目、深夜に同期が止まるAPIなどが現場を混乱させます。
これはチームの失敗ではなく、アーキテクチャ、テスト、ガバナンスの重要性が増す段階だという合図です。
複数アプリの設計、国別のコンプライアンス、複雑な連携、あるいは既に取締役会が決めた導入日がある場合はパートナーを呼ぶべきです。
Dasoloと一緒に進める理由
Dasoloは、実際の業務に沿ったOdoo導入を支援します。カスタムアプリ、整った連携、そしてコンサルタントが去った後でも現場が覚えているトレーニングを提供します。
Planningの高度ユースケースがロードマップにあるなら、我々は段階的な計画を一緒に描きます:まずは短期の勝ちを作り、その後自動化と連携を段階的に導入、各段階に責任者とテストスクリプトを設けます。
お客様はスコープと予算のコントロールを保ち、我々はOdooの深い知見で運用段階での高額な学習コストを防ぎます。
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